2005-11-16

洋々閣"

洋々閣

佐賀県唐津市
洋々閣
???:設計


 佐賀県唐津市内にある旅館。とても有名なようでジャック・マイヨールも訪れていたとか。周辺は閑静な住宅街と商店街。散策してみるといろいろあるようだが、今回は歩いていないので興味があれば調べてみてください。
 道に面した写真を収めていないのだが、商家を思わせる純和風の建築物。改修工事を済ませている為、宿泊上の不便な点は感じない。
 上写真を見て分かるように、随分と趣のある建物。特に感じたのが、光と陰。谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を思い起こす。日中の陰、障子によって変質された陽光、夜の闇の中でモノを照らす照明とその陰。質量を持ち合わせないそうしたモノから、私は静寂を知覚する。木造の建物の為、離れた物音も伝わってくるのだが、静けさがまさに其処に在るかのようなのだ。こうした落ち着きによって時間の流れも緩やかになるようで、旅人に一時の癒しを与える宿としては最良な空間性を提供しているといえる。
 彩りや味、香りの豊かな食事。唐津+伊万里といった器の彩りや手触り、口触り。畳の香りや木の香り。心配りの利いた接客。様々な要素が空間を演出し、また、私はそうした事を知覚することで空間性を積極的に更新する。この建物に訪れた時と後にする時の、この建物に対する私の認識は驚くほど違っていた。まぁ要するに、もう一度、是非、訪れたいわけなのです。
 あぁ日本人に生まれてよかったなと感じちゃいますよ。

2005-11-15

ぐりんぐりん

ぐりんぐりん


福岡県福岡市
アイラント゛シティ中央公園 中核施設 ぐりんぐりん
伊東豊雄:設計

 福岡市東区の埋立地にあるこの施設。「アイランド花どんたく」の開催期間にはメーン開場として使用。様々な建築雑誌にて紹介されているので、細かな話はそちらを参照してください。
 遠景からは丘があるのかという程度にしか感じられないだろうこの施設。
 いざ間近で眺めてみると、建っているというより覆っていると表現するのが適切だと感じる。水平な大地の上にうねる板が覆っているのだ。屋内外で知覚される建築の要素は床と覆う天井というシンプルな構成となっていることで、うねり覆う板の連続性に伴い、動線や空間性も連続的なものとなる。とはいっても、穿たれた板や境界となるサッシによって、温室のような印象が強く、豪儀な温室だなと感じる人もいるだろう。
 ランドスケープとしての建築という動機や、平坦な周辺を眺めさせたいという動機は強く感じる建物で、ついつい建物の上に登って公園を眺めたい心持にさせてくれる。建築と周辺環境が身体行動によっても連続しているといえるだろう。ほぼ緑化された屋外は環境問題への提案も含まれているのだろうが、花どんたく終了後もしっかりとメンテナンスしてあげてほしいものだと大きなお世話もしたくなる。
 建物もだけど、この建物のネーミングに脱帽です。いい名前ですな。

2005-11-14

佐賀降臨。

洋々閣。
 13日から14日まで1泊したのが上の写真にある洋々閣。検索エンジンに何千とヒットするほど、この地方でも有名な宿らしく、奥様が探し出してきて宿泊となりました。
 6名ほどの仲居さんに出迎えられ、なんだかコッパズカシイ心持のまま案内された旅館の中は純和風の木造2階建て。光と陰に彩られた雰囲気と窓の外に広がる庭園は時間と音を吸収しているかのよう。日曜日で宿泊客にゆとりがあるとのことで、少し格上の部屋へと案内してくれたこともあって、眺めも最高。ちなみに上写真の下が部屋の窓から撮影したもの。見た目も味も素晴らしい食事に感動し、残さず食べる貧乏根性を発揮。翌日までも腹が大変なことになりつつ、旅館を後にしました。

虹の松原とキャナルシティ。
 旅館の余韻に浸りつつ訪れた、旅館の近所に在る虹の松原という松林。幅500mほどの松林が4.5kmも続いていて、17世紀に植林されたのが始まりなのだそう。たいした松林です。
 で、その後、長崎佐世保まで、わざわざハンバーガーを食べる為だけに足を伸ばす。いや~メチャウマ。満足の後、福岡に戻り、キャナルシティで買い物。旅の勢いでスタートレックのDVDと奥様大ファンのジャッキー・チェンのDVDを合わせて9本も大人買い。そして、とうとう旅の終わりを迎えてしまいました。。
 メチャメチャハードでクタクタになったけど、とても楽しい旅行でした。旅っていいですな。さて、次は何処に行こうかね。

2005-11-13

長崎降臨。

雲仙:平成新山と眺望。
 前日の胃もたれも何のその、一路長崎、雲仙岳へ。上写真は平成新山と眺望。
 実はこの雲仙は紅葉の名所ということで、足を伸ばしてみたのだけれど、既に葉が散っていた為、一部残る紅く色付いた樹々を頼りに想像を膨らませる。が、ふと視界が開けたところにある展望台に辿り着くと、眼下に広がる眺めにビックリ。当日、曇りの天気という事もあって、海や雲海、そして大地がまるで水墨画のよう。メチャ寒かったけど、とてもステキでした。
 そして平成新山。噴火後、雲仙だけの標高を127m押し上げたその噴火の傷跡は今なおふもとの街まで残っていた。大地の膨大なエネルギーを感じさせられる。

千々石町の清水棚田。
 雲仙だけのふもとに、たまたま見つけた棚田が上写真。
 棚田を見るのは初めてではないが、石垣で棚を作っているのははじめて見たので、思わず撮影。傾斜地の多いこの地域では、他にも幾つか棚田があるよう。刈り入れ後の田んぼでも十分興味深いこの風景。黄金の稲穂が覆う季節には素晴らしいものだろうなと妄想。
 長崎の自然と人の営みの一端に触れ、佐賀に予約した宿に向けて出発。宿がまた最高だったのですよ。

2005-11-12

福岡降臨。

アイランド花どんたく。
 2005年9月9日から2005年11月20日まで行われている第22回全国都市緑化ふくおかフェア:愛称“アイランド花どんたく”の様子が上写真。
 2泊3日の予定で福岡・佐賀・長崎をブラツク旅行の第一歩に選んだこの花どんたく。主な目的は、テーマ館「ぐりんぐりん」(設計:伊東豊雄建築設計事務所)を見学すること。埋立地にある敷地の中で、うねり上がり現前したような奇妙な建物だが、花などで彩られた外観は、会場一杯に植えられた花と同調し、景観というよりも風景といった感じ。
 このテーマ館で特別展示されていたのが青いバラ。世界で初めて開発されたとかで、1時間ほどの待ち時間の後、しっかり見学。真っ青ではないもののステキな色合でした。でもって、イベントで行われていたお笑いライブ、キングオブコメディと東京ダイナマイトで一笑いし、会場を後にしました。

もつ鍋とクリスマスの予感。
 花どんたくの後、ホテルでチェックインを済ませ、天神をぶらつくと、クリスマスを予感させるライトアップがチラホラ。あぁ年末が近づいているのねと想いつつ、予約した“もつ鍋 やま中本店”に移動し、晩御飯を頂く。メチャウマ。地酒を呑みつつ暴食。いや旨かった。プニプニのもつは最高ですな。が、昼間のとんこつラーメン。夜のもつ鍋。次の日まで胃はマッタリ。
 かなり満足の1日目。運動不足の足は悲鳴。さてさて、どうなる2日目。